特集コラム

Column Vol.2

一人ひとりの社員がイキイキと活躍できる職場づくり

組織と個人がともに成長できる環境を整えていきます

人材育成の強化に向けた取り組み

 近年の事業成長に伴い数年間で100名を超える仲間が増えました。新たに入社いただいたメンバーはさまざまな文化や異業種で経験を積んできた方々です。これまで当社が積み上げてきた伝統に、異なる視点やノウハウを融合することで、新たな価値を生み出し、東洋合成工業の更なる成長につながっていくことを期待しています。
 そのためには、新メンバーに一日も早く職場や仕事に慣れて能力を発揮していただく必要があります。数年前より約1年間はメンターを選任しOJTを行っていますが、更に入社時の受入研修を拡充するとともに、工場を中心に役職者からOJT担当を対象とした「教える技能の研修」を取り入れています。

執行役員 人材総務部 部長 水戸 智教わる側と教える側の双方のコミュニケーション力を強化することで信頼関係が深まり、育成スピードの向上につながっているという手応えを感じています。また、今後は持続的な成長に向けた「組織開発」にも取り組んでいく予定です。事業部ごとに中長期的な視点で、事業ビジョン・戦略・人材・組織などのあり方をしっかりと検討し、それを実現するための人事・人材育成施策に落とし込んでいきます。社員一人ひとりが自部門の中期経営計画に自分の業務がどのように関わるのかを認識し、チャレンジングな仕事にやりがいを持って力を発揮し、成長を実感できることが、組織と個人がともに成長していく環境であると考えています。一方で、社内イベントや懇親会など、共通の価値観から社員同士のネットワークが広がる「場」も作り出していきたいと考えています。

個々の「働きがい」と「働きやすさ」に向けて

 個人の成長を考える際に重視していることは「働きがい」です。
高付加価値の製品・サービスを更に維持、発展させていくためには、社員一人ひとりが自分の仕事に意義を感じ、情熱を持って取り組んでいく必要があります。社員の適性を見極め、成長していく場を与えられるようにサポートしていきたいと考えています。そして今後は、自分の将来のキャリアを考える機会を定期的につくり、適材適所を踏まえたローテーションやプロジェクトなどの人材交流策を拡充していきたいと思います。
 また、イキイキと働いていただくための「働きやすい」環境づくりも重要です。仕事とプライベートを両立し、出産・育児・介護などのライフステージに合った柔軟な働き方をサポートしていきます。これまでも、育児休業については女性の復職率100%を実現してきましたが、近年は男性の育児休業取得も増えてきました。今後は、短期間勤務やフレックスタイム制の拡充、シフト勤務の更なる安定化などにも取り組み、「働きがい」と「働きやすさ」を両立することで個人と組織の成長につなげていきたいと考えています。

ワーク・ライフ・バランスを実現するための制度活用実際に制度を利用した社員とその上司に、制度のメリットや今後の展望について聞きました。

男性の育児休業取得

2人目の子どもの妊娠がわかってから育休取得について漠然と考えていましたが、ちょうどその時に取引先の男性が育休を取ると聞いて、自分にもできるのではと思うようになりました。同じ部署の女性は産休・育休を取っていますし、元経理部長が以前3カ月の育休を取得したこともあって、自分が育休取得を決めた際に周囲に特別驚かれることはありませんでした。
育休の間はもう少し楽かと思っていたのですが、上の子の面倒を見ながら家事全部をやるのは思った以上に大変でした。しかし、子どもと接する時間が長くとれ、仕事以外の視野が広がったのはプラスの経験でした。大変さが身に沁みたこともあり、できる限り効率的に仕事に取り組み、家族と過ごす時間を増やしていきたいと思っています。今後、男性も当たり前に育休を取得するようになれば、仕事の属人化が減るとともにスムーズな引き継ぎや業務整理が進み、組織の効率も上がるのではないかと考えています。(石原)
石原さんは部署のキーマンなので、育休の間に頼ることができない不安はありましたが、一方で彼の業務をみんなでシェアしたことで仕事の見える化ができ、効率化やいざというときのサポート体制を考えるきっかけになったのは良いことでした。また、他のメンバーが普段とは違う仕事を3カ月経験できたことは、育成の観点からもさまざまな気づきがあったと感じます。一人欠けることで組織や業務が滞ってしまうことは問題なので、マニュアル化やすぐ引き継げる状況を自ら日々作っておくことが大切だと思いました。
石原さんはそうした準備を事前に整えてくれていました。私自身、産休・育休を取得して復帰していますが、最初の3カ月という大変な時期に夫婦揃って子育てできるのは心強いことです。時代の流れで男性の育休取得も増えると思うので、制度をポジティブに捉えて、チームでサポートしていければと考えています。(鈴木)

千葉工場での短時間勤務

第三子の出産後、2018年7月から短時間勤務で復帰しました。一人目のときは1年、二人目のときは1年半の育休後にフルタイムで復帰したのですが、三人の面倒を見るとなると時間が足りないですし、一番上の子が小学生になって学校に慣れないタイミングでもあったので、子どもたちのことも考えて時短で働くことを選択しています。人材育成を担当しているため各課とのやりとりも多いのですが、話したい人と話せなかったり、時間帯によっては会議に出席できないなどの葛藤もあります。しかし、家庭以外の場所に自分の居場所があるのはありがたいことですし、いつまでにどの仕事を終わらせるかを常に考え、自分一人で仕事を抱え込まないようにするなどを意識して働いています。
今後は、時間休で少しだけ仕事を抜けられたり、子どもが小学生になってからも短時間勤務ができるなど、会社の制度が更に充実していくと、より働きやすくなるのではないかと思います。(林 美里)
社員の皆さんには、制度を活用してほしいというのが率直な思いです。今という何にも代えがたい時間に家庭をしっかりと見ることは、将来懐かしく思い出されることでしょう。もちろん、時短勤務だから仕事を中途半端にしてよいということではありませんが、業務に時間的な制限が出ますので、従前と同様の働き方が難しくなることや将来のキャリアも含めて、本人ときちんと相談をしながら支えていく必要があります。周囲のメンバーも含めて理解し協力して、働き続けられる環境を整えていくことが大切だと思います。千葉工場での時短勤務は林さんが初めてで、現在みんなでルールを作りながら進んでいる状況です。将来、林さんが経験したことを次の世代に伝え、よりよい形でフォローできるようになれば、更に良い連鎖が生まれていくと考えています。それにより、林さんをはじめとする女性がより活躍できる職場を実現できればと思います。(林 孝雄)