働く人々の安全・労働安全衛生

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東洋合成工業

東洋合成工業では、経営理念・行動指針で「安全を最優先」を掲げ、社員、協力会社社員、地域住民など関係者が安心できる環境づくりのため、社長をトップとする環境安全委員会を設置し、各事業所の安全衛生委員会を中心に、安全で健康な職場づくりに努めています。

施策・取り組み内容

化学メーカーの責任として、安全操業は絶対に譲れない基本です。当社では、毎月安全パトロールや安全啓発活動を実施し、従業員はもちろん、工場内で作業を行う協力会社の皆様も含めたすべてのスタッフが、安全に対する高い意識を共有するための活動を行っています。また、労働災害ゼロを実現するため、リスクアセスメントや安全教育を継続し、体感を経て皆で分かち合うことで、安全に対する理解がより深まる機会を積極的に作っています。
労働安全衛生では、健康診断・ストレスチェックの結果に基づき、産業医との面談を受ける機会を促し、心身ともに健康に働くことのできる職場づくりを心がけています。また、これまので疾病の予防・未然防止の取り組みに加え、2022年度は従業員ひいてはその家族の幸せのため、健康増進を推進する施策を検討しました。今後も取り組みを強化し、安全衛生方針の元、健康経営に取り組んでいきます。

安全衛生方針

  1. 「常に安全を最優先します」を念頭に、全社員が一丸となって安全衛生活動を推進します。
  2. 人命尊重の理念の下、必要な社内基準を設け、法令を遵守し、安全・健康で働きやすい職場環境の創造を目指します。
  3. 良好なコミュニケーションを社内・社外で展開し、社内外の関係者の安全と健康の確保に貢献します。
  4. 全従業員がそれぞれの立場で職場に潜む危険源の把握に努め、事故・災害を未然に防ぎ健康を確保するためリスク低減に貢献します。

環境・安全衛生管理の組織

環境・安全衛生管理の組織の図

OSHMS 労働安全衛生マネジメントシステム

危険物を扱う当社は事故を未然に防止するためにOSHMSを導入し、職場のリスクアセスメントを実施し、リスクの低減を図るなどの活動をしています。

※OSHMSとは:労働安全衛生マネジメントシステムの頭文字で、継続的な安全衛生管理を自主的に進めることにより、労働災害の防止と労働者の健康増進、さらに進んで快適な職場環境を形成し、事業場の安全衛生水準の向上を図ることを目的とした安全衛生管理の仕組みのこと

安全への取り組み

安全パトロール

研究所を含めた全事業所で、毎月安全パトロールを実施しています。パトロールには事業所内の各課が相互で行うもの、事業所を超えて他事業所のメンバーが複数参加し相互に行うもの、トップマネジメントが参加するものなど、多彩な活動となっています。様々な視点によるパトロールを実施することで、より効果的、実質的な改善につながる活動を目指しています。

  • 安全パトロール1
  • 安全パトロール2

2022年度活動報告(研究所)

効果を高める安全パトロール運用の強化

安全パトロール運用の強化感光材研究所では、安全パトロールの中で同じ指摘が繰り返されることが多くなっていました。そこで、安全パトロールの企画、レビュー、運営を行い、過去のリスクや指摘内容を体系的にまとめ、チェックシートとして確立、誰でも同じ目線でパトロールができる仕組みを作り ました。
安全パトロールを実施後は、即座に報告書を作成し、進捗管理を行い、次のパトロール前に残件を共有するなど、PDCAサイクルの仕組みを確立しました。

material_2021_07.jpg感光材研究所 研究支援課 副主事
秋谷 栄夫
安全パトロールでは、各所員の危険に対する意識レベルや意欲を持って注視する部分にバラつきがあるという課題がありました。そこで過去の指摘を再確認し、指摘件数が多い課題を事前にピックアップ、分類し確認項目を定め、指摘漏れを低減し、レベルの整うパトロールを目論みました。最初は項目が多く、全てをパトロールで確認するのに時間がかかりましたが、重点項目を設定し、効率的に行えるよう工夫しました。さらに全体の士気を高めるため、Good pointを意識し、取り上げるようにしました。こうした活動の結果、以前よりも改善スピードが上がり、指摘件数も減少し、特に改善に関しては当初1か月かかっていたものが1週間以内に対応が完了するなど劇的に変化しました。山本五十六 海軍大将の名言の通り、「良い活動をちゃんと見る、認める、感謝する」を明示的に伝えることが大切だと実感しています。これからも一つの手法に固執せず、柔軟に安全対策へ取り組みたいと思います。

安全啓発活動

当社では社員が自ら調査・企画し、他の社員に安全について教育する活動を「安全啓発活動」とし、各事業所で定期的に実施しています。

静電気講習

当社の製品の多くはその製品中に含まれる金属が非常に少ないことが大きな特徴となっています。そのために金属との接触を避ける生産工程となり、静電気帯電も起こりやすくなります。帯電は、有機溶剤などに対して着火のリスクがありますので、私たちは産業安全技術協会の静電気エキスパートの資格者を複数名確保して、設備の対応、作業の方法について検討し、静電気帯電によるリスクの封じ込めを行っています。その静電気安全の管理を確実なものとするために「安全啓発活動」などの教育の機会に静電気エキスパートを含む社員自らが静電気安全教育を実施しています。

救急救命講習

非常時に備え、各事業所では消防の協力を得て救命講習を実施しています。また事業所にはAEDを設置し、使用方法を「安全啓発活動」などの機会を通じて、教育・訓練しています。

  • 空気呼吸器装着訓練

    空気呼吸器装着訓練

  • 空気呼吸器装着訓練

    空気呼吸器装着訓練

  • 救命救急講習

    救命救急講習

  • 救命救急講習

    救命救急講習

タンクローリー運転手向けの安全教育

高浜油槽所では1日100台を超えるタンクローリーを受け入れています。
ケミカル品の積み込みは運転手との協働作業となり、油槽所の安全は当社の社員、協力会社社員だけでは保つことができません。このような理由から、高浜油槽所では毎月の安全強化日に「安全啓発活動」として荷役開始前のタンクローリー運転手向け安全教育を行っています。私たちはこの取り組みを全社に広げ、社員が自ら調査・企画し、他の社員に安全について教育する活動「安全啓発活動」として展開しています。
お互いに教育し、される立場になることで安全に対する理解がより深まる機会となっています。

安全啓発活動の一つとして毎年、荷主様、運送会社様を対象に本物のタンクローリーを使って溢れさせるオーバーフローの実演をしています。

  • タンクローリー運転手向けの安全教育

    タンクローリー運転手向けの安全教育

  • タンクローリー運転手向けの安全教育

    タンクローリー運転手向けの安全教育

2022年度活動報告(香料工場)

出張型 安全体感教育

出張型 安全体感教育危険な状態を実際に体感し、より一層安全への意識を高めるために、香料工場において、外部講師を招いての出張型安全体感教育を実施しました。当日は、各事業所・協力会社から計50名が参加し、巻き込まれ・感電・ぶら下がり・すべり等の危険な状態を実際に体感することにより、参加者は安全の重要性を再認識できました。

労働災害度数率・強度率

労働災害の発生頻度を表す度数率と、休業により労働できなくなった日数を表す強度率で、労働災害の発生状況を毎年評価しています。2022年度は、休業1日以上の労働災害が1件発生したため、労働災害度数率は0.71となりましたが、度数率・強度率共に、同人数規模の各業種と比較し、低い数値となっております。当社では毎年、「休業災害・不休業災害ゼロ」達成を目指し、各事業所で積極的な安全活動を推進しています。今後も、発生した災害の原因や安全パトロールで見つかった不安全な状態などを全社共有し、一丸となって改善に取り組むことで災害ゼロを目指します。


  • 労働災害度数率の推移
  • 労働災害強度率の推移

健康管理への取り組み

従業員の健康促進

従業員の健康促進心身の健康管理のため、ストレスチェック・定期健康診断・特殊健康診断を全従業員対象に実施しています。今年度のストレスチェックの受検率は、前年度より5.2ポイント増の91.2%となりました。定期健康診断の受診は、新型コロナウィルスの流行に伴い近年100%を達成できていませんでしたが、健康管理の必要性を再周知し、未受診者へのリマインドを繰り返すことにより、受診率100%にできました。また、有所見者率は昨年度より0.6ポイント減の、38.6%となりました。
健康診断結果の有所見者には、段階別ケアを綿密に行い、将来の健康寿命も見据えた指導やアドバイスを産業医・産業保健スタッフにより実施しています。今年度は、高血圧予備軍の従業員に向け、血圧の自己測定と記録を実施してもらい、結果について産業医からアドバイスをもらうことにより、日々の血圧に留意し生活改善をしてもらう指導を行っています。

ストレスチェック受検率

2020年度2021年度2022年度
87.4%86.0%91.2%

健康診断受診率推移

2020年度2021年度2022年度
99.85%99.87%100%

有所見率の割合の推移

2020年度2021年度2022年度
当社38.0%39.2%38.6%
化学工業60.1%56.3%55.0%