責任ある製品の供給

東洋合成工業は素材産業としての社会的責任を全うし、CSR活動を推進してゆくという観点に基づき、安定供給体制の強化に取り組んでいます。その実現に向け、原材料調達、製品生産、そしてデリバリーというサプライチェーンをより確実で強固なものにしてまいります。

施策・取り組み内容

原材料を遅滞なく安定的に調達し、多種多様な産業のお客様に製品をお届けするために、当社においては各種施策を全社一丸となり実施しています。具体的には、お客様との対話に基づく中長期的な需要予測、生産計画の検討および複数拠点での生産体制を整備しています。また原材料調達においては、国内外複数サプライヤーの選定、稼動状況等の定期的なアンケート調査がその一環となりますそして重要課題である原材料調達を始点とするサプライチェーンを通じたCSR 活動をさらに推進するため、調達基本方針ならびにCSR調達ガイドラインを策定しました。当調達方針／ガイドラインに関してはサプライヤー各社様にご理解いただくとともに、同意書への署名も依頼し賛同いただいています。

調達基本方針

相互信頼

お取引先様は当社事業発展の重要なパートナーであると認識し、調達活動を通じて共存共栄を目指した信頼構築を図ります。

法令遵守／倫理的な取引

国内外の関連法規を遵守し、社会規範、企業倫理に配慮した調達活動を行います。

公平かつ公正な取引

自由競争の原則に基づき、国内外全ての取引先に公平かつ公正な取引機会を提供します。

環境への配慮

化学メーカーの果たすべき責務として、地球環境への負荷を配慮した調達を行います。

CSR調達

企業の社会的責任を果たすため、安全、環境、人権に配慮したCSR調達を実施します。

CSR調達ガイドライン

1：環境への配慮

1. 環境マネジメントシステムを構築、運用する。
2. 製造時に使用される化学物質に対し、法令等に基づいた管理を行う。
3. 製造工程に用いられる資源、エネルギーを効率的、また循環利用を促進する。
4. 地球環境保全への取り組みとして、排水、排ガス、廃棄物処理を適切に管理する。

２：製品・サービスの品質安全性

1. 品質マネジメントシステムを構築、運用する。
2. 製品、またその原材料が法令で定める安全性を満たしていることを確認する。
3. 取引先に対し、製品情報を正確に開示する。

３：労働環境における安全衛生

1. 従業員が使用する器具、機器類に対して適切な安全対策を講じる。
2. 労働安全に対する教育、訓練を実施し、定期的にレビューを実施する。
3. 労働環境における衛生状況、悪臭、温度を把握し、管理、改善する。

４：人権尊重及び健全な労働環境

1. 強制労働、児童労働を禁止する。
2. 法令に定められた最低賃金、また超過勤務の手当を支払う。
3. 法定労働時間を遵守し、かつ年次有給休暇の権利を付与する。
4. 人種、年齢、性別、ジェンダー、国籍等を理由とした差別を行わない。
5. 安全で清潔な労働環境を整備し、従業員の健康管理に配慮する。

５：法令・社会規範の遵守（全ての企業活動のベースとして）

1. 会社法、独占禁止法等の関連法規を遵守し、公正な取引を実施する。
2. 取引を優位に進めるための過剰な接待や、社会的儀礼の範囲を超える贈答をしない。
   また業務上の有利な立場を利用して贈答・接待の提供を求めない。
3. 反社会的勢力と一切の関わりを禁じる。
4. 他社の知的財産権を侵害する事の無きよう、また自社の技術、ノウハウが侵害されることの無きよう、適切な管理を行う。
5. 法令で規制される物品の輸出入に関し、法令を遵守、かつ適切な管理、確認体制を整えた上で実施する。
6. 製品に使用される原材料が、紛争鉱物を始めとした地域紛争や人権侵害、環境破壊など社会的な悪影響を及ぼしていない物品であることを確認する。

６：地域・社会への貢献

1. 自社、並びに関係施設が所在する地域社会とコミュニケーションを深め、地域の経済、文化、教育の発展に繋がる貢献活動に努める。

７：将来に向けた研究開発

1. 自社事業活動の発展に加え、持続可能な社会に向けての研究、開発に努める。

８：ステークホルダーへの情報開示

1. 社会的責任と高い企業倫理を遵守する為、法令により開示が定められた事業活動の内容、経営状況（財務状況、業績）及びリスクに関わる情報については、適時・適切に開示に努める。

ハラール認証を取得

当社は、宗教法人日本ムスリム協会から、市川工場と香料工場で製造する製品のハラール認証を取得しています。ハラールは「合法的である」ことを意味し、ハラール認証製品はイスラム教徒の生活に無くてはならないものです。当社の製品は、北米やヨーロッパなど世界各地に輸出しており、ハラール認証を取得していることで、全世界で約18億人以上とされるイスラム教徒の人々に安心して利用いただくことが可能となりました。近年ハラール製品は、グローバル化に伴う人や物の流れの複雑化のなかで、イスラム教徒の人々以外にも国内外で非常に関心が高まっており、ハラール認証製品の需要の大幅な増加が見込まれています。

2022年度活動報告

安定供給に対する取り組み

化成品事業部では、電子材料業界をはじめ香料、医薬、農薬、食品などの幅広い業界へ、超高純度溶剤などの製品を供給しています。新型コロナウイルスによるあらゆる物流の混乱は収束したものの、ウクライナ・ロシア問題や米中の貿易摩擦などの地政学的な要因で、供給リスクに加えて物価高騰など安定供給への懸念は高まっております。我々は、従来の生産工場のバックアップ体制や原材料・製品の備蓄先確保に加えて、調達チャネルの複数化検討を強化し、顧客への提案を進めております。
また外部評価機関において、ISO22301（事業継続）の認定を取得しており、Ecovadisのサステナビリティ調査ではシルバー評価、日本政策投資銀行のBCM 格付けでは「防災及び事業継続への取り組みが特に優れている」と評価を受けており、供給安定性を高めて、顧客の安心と信頼獲得に向けて取り組んでいます。

ベストなサプライチェーン構築の探求

安定供給の基盤となる原材料調達。原材料を国内外から広く調達する中、不測の事態を防ぐためにサプライヤーの状況把握を積極的に行っており、定期的な面談をベースとする相互理解の深化、操業状況調査、自然災害発生時の影響確認を実施することで調達困難となるリスクの最小化に努めています。
また、ベストなサプライチェーン構築のためにサプライヤーのCSR活動状況の把握と理解、そしてその推進を要請していくことは重要な課題と捉えています。よって自社におけるCSR 調達体制の構築とともにCSR 調達アンケートを実施しています。環境配慮、人権尊重、法令遵守状況等の回答を基にパートナーのビジネス上のリスク状況を総合的に判断の上、サプライチェーンの安定化に取り組んでいます。